クラウドソーシングとはどんなものかご存知ですか?うまく使っていきましょうよ!というお話

昨今、急成長を遂げ、なおも成長を続けるクラウドソーシング。webサイト制作やデザイン制作、システム開発などをweb上で発注、受託できるサービスです。

これからクラウドソーシングで発注しようとしている方、これからクラウドソーシングで仕事を受託しようとしている方に読んでいただきたい記事です。

クラウドソーシングの光と闇

web制作会社さんとつながりのあるコンサルさんはあまり見向きもしていないかもしれませんが、フリーのコンサルさん、web制作会社、デザイン制作会社を見つけるのに困っている方、そんな方々とフリーでバリバリ仕事したい!と思っている個人事業のデザイナーやwebデザイナー、プログラマーなんかが集まっています。

と、表向きはそんな“待望のユートピア”かと思いきや、登場してまだ日が浅く社会的認知度が低いため、まだまだ日本の悪習が横行しています。どんなものかというと“財布は盗まないのに人の時間はあっさり盗む”“形がないものは価格がつかない”この二点ですね。近年は企業倫理に重きを置くようになった会社も多くなり、時間に関することや、人の技術に関することにきちんと目を向けるという流れもありますが、中小ではまだまだそんなこと言ってられないよ!って会社さんも多くいるはずです。まぁたしかに金持ちの余裕みたいなところはありますからね。

では、誰かのメリットはだれかのデメリット。ということで、見ていきましょう。

受託業者がすぐ見つかる

どこで知り合えばいいのかわからなかったデザイナーやプログラマーといった人たちがたくさんいます。「あー自社のコーポレートサイトがほしいなー」と思ったらクラウドワークスやランサーズを代表とするサイトへ行けば一瞬で見つかります。“この仕事をこれくらいの価格で”と掲示しておけばほいほい集まってきます。すごく便利。

受託者にとってはなんのメリットもありません。競争率が高いです。コンペ式だと、ある程度完成したものを見せなければならない(誰でも見られるようになっていたりする)ので提案するまでにえらく時間がかかります。しかも、公開募集となるとどこかのタイミングでデザインのパクリ合戦が始まり、結局価格競争になってしまいます。

とにかく安く仕上がる

完成品も悪くないです。というのも、実際にその業界で長年働いている人がお小遣い稼ぎをしていたり、専門的に勉強している学生さんが勉強がてら請け負っていたりするからです。

だがしかしです。webのちょっとした文章といくつかのポートフォリオ、制作実績を提示するくらいしかプレゼンできないので当然、どうしても仕事が欲しい受託者は価格競争に身を投じます。えらく安い価格で提示したりして、なので、安く仕上がります。フリーのコンサルさん、web営業マンがよく使う理由は仕入れを安く済ませられるから。

ただ、安いということは受託者がどこで手を抜いているかわかりません。“SEO対策全般”“レスポンシブで”などと条件が書いてありますが、本当に仕様まできちんと理解して募集しているか怪しいもんです。

あくまで予算内でですが、“こういう仕様を入れます”→“この価格でどうでしょうか?”と価格を提案したいところですが、“〇〇円以内でできるだけ安く”と言われている以上、他所より安く提示しつつ、発注者が理解できてなさそうなところで手を抜き、価格程度のものに済ませる。ということが起こります。10万円でアプリ制作とかもう、どんなものを期待しているのでしょうか・・・。

情抜きで仕事ができる

直接会って何回も打ち合わせしたりする必要が無い場合、メールのやり取りだけで完成まで持っていくことが出来ます。こうなってくると、双方に情が湧きにくく、“おまけしてあげよう”という受託者が生まれにくければ、“寝ずに仕事すりゃ終わるだろ”という締め上げ方もできてしまうという、“性善説”の上に成り立っています。しかしこれは、費用対効果を求めるならば得策なのかもしれません。

 

ということは、受託者は最悪連絡がつかなくなってしまいます。お願いされるところから相対して始まったりということがあまりないので諭吉の顔しか見えていません。しかも、自分から安く提示したはずなのに、“割に合わない”と飛んでしまうリスクがついて回ります。

目先の価格に飛びついたコンサルさんが、自分ではどうにもできないのでまた受託者を探すというところから始めたりしています。はて、その損失は誰が払うのでしょうか。

 

案件を見てると、“途中で終わってしまったので続きをお願いします。”とかいう案件を見かけます。

ああ、この人に仲介頼んでる企業さん、ご愁傷様。

 

 

こうなったらいいなぁ

今のクラウドソーシングが頑張っていることは“発注案件の増加”“幻滅した受託者をつなぎとめる”この二点のようです。たしかにここは悪循環ですね。最近では手数料無料(ほんとかよ?)の案件を直接運営から受託者にメールしたり、発注者に安心して使ってもらえるようにと策を打っているようです。

ともあれ、発注の相場とかの教育も頑張ってますから、是非、適正価格、適正手数料、適正知識で発注者、受託者、運営が3方良しの状態になることを願っています。